特許の意義がわかる

「そんなの口に入ったって入らなくたって一緒だよ」という金額だったらもう最初から特許なんか考えないほうがいい。

付加価値 × 販売量 = 粗利総額

つまり「会社の利益」に足しになるかどうか。そしてそれを「付加価値」を上げて達成するのか、「販売量」を上げて達成するのか。

「販売量」は会社の市場戦略です。「特許」は「付加価値」を維持する手段に有効です。

そして「付加価値」というのは他人に真似されてたくさん似たようなものが出回ればどんどん下がっていきます。

また、「特許」というのは一件だけで全てが機能するというわけには行かないものです。

でも三件くらい出す(取得する)とすぐに100万円ぐらい行ってしまったり…。つまり、知的な「設備投資」と言えます。

「設備投資」と言う限り、何をするために投資していつ回収するのか、そこまで考えたい。

事業形態に応じて特許戦略も異なってくるわけです。

事業形態には3種、すなわち「見込み形態」の事業、「受注形態」の事業、そして「イージーオーダー形態」の事業があります

見込み形態の事業

自分で商品を決め、自分で値段を決め、生産量、販売量、企画力、何から何まで全て自分でやる事業のこと。

こうした事業において特許を考える差別化要素というのは、商品の「独創性」です。

すなわち、マーケットに対して特許をどのように使うか。マーケットシェアをたくさん取るということです。

特許によってあるエリアを囲っていき、「我々のマーケットエリアなんだ」としてそこに対して集中的に営業を仕掛けていくんです。

よくテレビでも「特許製品です」なんてPRしていたりしますよね。それも重要なものの一つです。

そのようにして初めて、特許が営業市場戦略における「後方支援」としての役割を発揮するんです。

受注形態の事業

自分ではなく、お客様(納品先等顧客事業者)が値段を決め、お客様が商品を決め、お客様が数量を決める類のビジネスです。

受注形態の事業における特許戦略の差別化要素とは、そのお客様との間の「信用」です。

「あの会社に頼んでおけば安心だ」「いつもいいもの、いい企画を持って来てくれる」という信用。

そして、納めた商品が「もしかしたらライバル社の特許を侵害しているかも」「相手企業から訴えられたらどうするの?」と騒がれてしまうようなことが重なると、信用が失われて行きます。

「我が社が納める商品は特許を取得していますので、どうぞ安心してお使いください」と言えるのは、素晴らしい信用形成につながります。

そしてその「うちの商品は安心してお使いください」という営業トークの中に、「他企業に浮気しちゃダメだよ」「アイディアをパクっちゃダメだよ」という意味が込められているんです。

イージーオーダー形態の事業

イージーオーダー形態の事業における特許戦略の目的というのは、市場対策とお客様対策の両方です。

とりわけニッチなビジネスで、受注形態に近いビジネスモデルをなさっているケースが多いんです。

ケースバイケースにて要望に応じて調整して提案しています。

イージーオーダー形態の事業における特許出願の相談において実際にあったことなんですが、

納めた商品が「他者の特許を侵害しているんじゃないの? 本当に大丈夫なの?」と言われ、それに対して、特許を取得していない状態にて我々特許事務所も納品先も「大丈夫です」と自信を持って答えることができない。

「調べてみます」となり、実際に調べてみて、侵害しそうな他者の特許に引っかからないようにするための方法を考えて……。すごく厄介なんです。

こういうことを経て、「この商品は○○社のものです」というブランドイメージをマーケットに作っていくんです。

他人に真似されないということは個性化されているということです。

マーケットの考え方と商品の特性

ニッチのマーケットというのは市場が狭いので、どこにライバルがいるかというのがよく分かります。

ですからそこに集中的に「これは我が社の特許なので侵害しないでください」という宣伝活動がやりやすいんです。

ところがマスマーケットになると、外国からも商品が入って来ますし国内でもたくさんの会社が作っていますし、どこで誰が何をしているかというのはなかなか把握しにくい。

マスマーケットで特許を活用しようとしたらそれだけお金も掛かりますし、広範囲で調査しなければなりません。その中で特許を生かそうとするのはとても大変なことになります。

商品というのは、他の商品に組み込まれて機能するものと、それ単体で機能するものとがあります。

他の商品に組み込まれて個性が抹殺されてしまうような商品は特許を取っても意味がありません。

とはいえ、他の商品に組み込まれるけど個性を維持しているものというのもあります。「あの会社の商品じゃないと使えないんですよ」と言われるようなものなどです。

また、品質的な要素というのは特許を取りにくい。

どこにその「特性」があるのか。乱暴に扱っても壊れない商品、分解してみても他の商品とあまり変わらない、でも一つ一つの部品の気の入れ方が違う、それらが合わさって凄く品質が上がっている、というようなケースでは、どこに特許を取れば良いのかなかなか分からないのです。

やはり「ノウハウ」ではなくて、その商品に特徴がある。「これ、いいじゃん!」と言われるもの。そこに特許を取るべきですね。

中小企業が特許を取るべきかどうかの判断基準というのは、上記で述べたもの全てです。

アイディアが出来たから、なんとなく特許を取っておこうということではほとんど機能しないもの。そのようなお客様に限って「特許なんて取っても儲からない」と仰います。

特許をどうして取るのか。

お客様対策なのか、市場対策なのか、ということを考えながら特許を取るか取らないかを決めていただきたいと思います。

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嶋 宣之 ウェビナー

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