開発力があるなら、儲かる企業へ変革できる!

開発力があっても儲からない「請負型開発」の企業が、儲けに繋がる「提案型開発」へと移行するのであれば、「もっと儲かる」とは何かということを考えていただきたいのです。

それはとても単純なことで、「量をたくさん売る」「値段を高くして売る」のどちらか(または両方)であり、量をたくさん売るには販路を開拓するかお客様のサービスがマーケットでおり多く売れるようになるしかないのです。

[もっと儲かる]=[①量をたくさん売る]or[②値段を高くして売る]
[①量をたくさん売る]=[新たな販路を開拓する]or[既存の販路が一層繁盛する]

提案型の開発に移行するには、この観点が重要ですが、販路を開拓するには、営業力が求められると同時に、汎用性の高い商品を開発しなければなりません。

汎用性の高い商品に特許を取っていると、今までのお客様以外のお客様にも売り込みやすくなります。特定のお客様だけにしか使えないような特許の取り方をしていてはならないのです。

 

量をたくさん売る

受注形態の事業をしている企業、例えば部品メーカーなどの場合、完成品メーカーから部品をたくさん買ってもらうためには、完成品が今まで以上に売れなければなりません。

ということは、部品メーカーが顧客を増やさずに提案型開発に移行するには、既存の完成品メーカーの商品が今まで以上に売れるような部品を提案しなければならないということです。

ただ単に「こんな部品を開発したんですけど、採用していただけますか」というだけでは、高収益を目的とした提案型には移行できません。完成品の商品価値が今までと変わらないからです。

しかも、商品価値が今まで通りなら、当然のこととして値下げを要求されます。その結果、またまた儲からない体質になってしまます。

 

高く売る

高く売る場合も、実はたくさん売る場合と全く同じです。

その部品を採用することによって、お客様の完成品が今までより高く売れるようになる提案でなければ、部品メーカーは高収益体質にはなりません。

提案型への移行が難しいのは、お客様を儲けさせるという発想がなかなかわかないことです。

下請けだけをやってきた会社には、「お客様を儲けさせる」という概念がなかなか理解できないこともあります。単に独自の商品を開発してそれを提案することが、提案型開発のビジネスであると勘違いしている会社が少なくありません。

 

停滞していた会議が、急に盛り上がった!

では、部品メーカーが完成品の付加価値をあげるにはどうすれば良いのでしょうか。

こんな経験をしたことがあります。

クルマの内装品メーカーであるR社は、社長が陣頭に立って提案型開発への移行を目指していました。

しかし、社長は「これからの開発は提案型だ」というだけで、その具体的な方法を指示できていませんでした。

社員の反応は、「提案しろ提案しろというけれど、いったい何を提案するんだ」というものに。

そこで私は、技術者を集めて次のような話をしました。

「皆さんは、内装品を売ろうとするからアイディアが出て来ないのです。提案型の商品は、内装品を売るという既成概念の中からは出て来ません。皆さんが売らなければならないのは、『車内の空間』です。」

この話をした途端、技術者の議論の内容がガラッと変わりました。

「いったい誰がこの内装品を使ったクルマに乗るのか」「40歳前後の夫婦で7歳ぐらいの男の子と4歳ぐらいの女の子の4人家族に絞ろう」となり、この条件の中で楽しく安全な車内空間とは何か、という議論に発展したのです。

完成品のコンセプトまで提案できるようになると、提案型の開発体制が整いつつあります。

完成品メーカー側から見れば、完成品のコンセプトを提案され、それを検討して「儲かる」と判断したとき、初めて付加価値の高い商品を提案されたことになります。

 

提案型開発のビジネスリスクも視野に入れよう

絞り込まれたテーマで楽しく安全な車内空間を実現できたとしても、それを自動車メーカーが買うかどうかはわかりません。最終的には完成品メーカー側のビジネス理念・哲学に則っているかどうかということも関係しますから、提案型の開発にはそれなりのリスクも伴います。

その意味では、提案型開発によるビジネスはハイリスク・ハイリターンであると言えるでしょう。

請負型開発を続けて来た企業は、こうしたハイリスク・ハイリターンの経営に慣れていませんから、提案した商品がお客様から断られたりすると、すぐに弱腰になってしまうようです。

「やっぱりだめか。社長は『提案型に変われ』と言うけれど、我々にはそんな力は無い」と……。

そのため、請負型から提案型に開発姿勢を移行させるためには、社長が忍耐強くなる必要があります。社長が社員より先にくじけてしまうなら、高収益の提案型には絶対に移行できません。

 

受注形態が同じように見えるビジネスでも、請負型と提案型にはこれだけ経営形態が違うという背景があります。もちろん、これによって社長の力量も変わってくるようになるのです。

 

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