昔、ウナギがまだ安かったころ、カウンターのお客に釣った天然ウナギを一匹ずつ焼きながら提供している「一杯飲み屋」がありました。
ウナギは、さばくときにウナギの体内に飲み込まれた釣り針を取り除くのがかなり大変な作業で、100%取り除くのはほとんど不可能でした。
針が食卓に……?
そのため、滅多にないこととはいえ、釣り針が残ったままお客に出してしまうことがあったようです。
もちろんお客は「危ないじゃないか、間違って飲み込んだらどうする!」と大騒ぎしました。
そのような騒ぎに面して、他のお客も動揺しただけでなく、「釣り針が入っているようじゃ次に来るのをやめよう」と思う人もいたのです。
しかし、ここの店主はすばらしい対処法を見つけました。この問題を逆手に取って、営業売り上げを伸ばしたのです。これは、現実の話です。
さて、あなたなら……?
特許脳で問題に対処した店主
針が入っていた場合に、「おめでとう、大当たりです」として、お酒を1本サービスしたのです。
しかも、当たった日付が入った名札をカウンターの壁にぶら下げました。
それからというもの、お客は「オヤジ〜、針が入っていたよー!」と笑顔で申告するようになりました。
名札に自分の名前を書き入れる客の嬉しそうな顔、その周りのうらやましそうな顔が印象的でした。
このウナギ屋は、それまで大きな問題となっていた針の存在を解消するのではなく、それを積極的に活用して、新たなサービスを生み出しました。
ウナギ屋の店主、すごいと思いませんか?
この発想の転換こそが、特許脳の活用です。