特許戦略についていろいろ言われますが、その基本は次の2つしかありません。
① 技術ブランド確立戦略
「技術ブランド確立戦略」とは、自社の技術力の独自性を社外に発信するために特許を活用する戦略です。
したがって、この戦略は独自性が高い技術分野を中心に特許を集中させることから始めなければなりません。
そして、この技術分野に関しては、他社の追随を許さないといった主張を社外に発信すべきです。
この発信がなければ、ブランド力を高めることができません。
② 市場制覇戦略
一方、「市場制覇戦略」は、特許を活用して「市場でナンバー1になる」ためにどのようしたらよいかが基本になります。
したがって、この戦略はマーケティング戦略と一体になって進められます。
これら両戦略は互いに独立して成り立つのではなく、「一体的」に運用されなければなりません。
上記2つの戦略について、企業によってどちらの戦略に重きを置くかという志向があります。
例えば、部品メーカーであれば、技術ブランド確立戦略が中心になります。
反対に、完成品メーカーでは市場制覇戦略が中心になります。
そして、いずれの戦略に重きを置くかによって特許の取り方が違ってきますし、侵害行為対策も違ってきます。