同じ開発テーマに長いこと携わっていると、その開発テーマに何の疑問も持たなくなることがあります。
例えば、「老人に対してやさしい見守り」をテーマにしたとします。
このとき、自分たちが問題にしている「老人」とは何だろうということを忘れてしまうことがあります。
さらには「やさしい」とは何だろうか、「見守り」とは何だろうかを、当然のように受け止めてしまって、それを追及せずに開発を進めてしまうことがあります。
しかし、開発テーマに応じて、老人の定義も異なるはずです。
例えば、「体は元気だけど、一人にしておくのが心配な老人」もいれば、「体も動かなくなって寝たきりの老人」もいると思います。
常に、自分たちの「開発テーマにとって」の老人とはなんだろうかを考えるべきです。
このことは、定番商品についても同じです。特に定番商品になると、それを新たに見直すことが少なくなります。
しかし、定番商品といえども、この商品は「一体何を目的に」した商品なのかをもう一度検討しなおすべきです。
そうすると、新たな視点からの開発テーマが見つかることもあります。
いずれにしても、自ら開発している事柄に、常に新鮮な気持ちで対応していかないと、よい開発テーマが見つかりません。
特に「いつもの商品」には、新鮮さを持てなくなってしまいやすいものです。
どんなものに対しても、テーマを新鮮に受け入れることが必要になってきます。