弁理士がものすごく神経を使うのは「特許請求の範囲」

特許庁に提出する特許書類の中で、特許を取りたいところはどこかをはっきりさせるのが、「特許請求の範囲」の欄への記載になり、その記載内容が「特許権の権利範囲」ということになります。

厄介なのは、この欄に記載された文言が非常に厳しく評価されることです。

例えば、この特許請求の範囲に「赤いスポーツカー」と書くと、黄色いスポーツカーは特許権の範囲から外れてしまいます。

特許権は独占権なので、特許を持っていない人はその独占権のために自由を剥奪されることになるので、このように厳しく解釈されるのです。

ですから言い換えると、特許権は他人の自由を剥奪する権利とも言えます。

したがって弁理士は「特許請求の範囲」の記載にものすごく神経を使います。

そこで、特許請求の範囲を作る時のアプローチの方法を「赤いスポーツカーという発明」を例にして簡単に紹介いたします。

  1. 発明であるスポーツカーは、なぜ「赤」でなければならないのかを検討します。
  2. このとき、発明者が「赤は、かっこよさを追及した」と考えたとします。
  3. そうすると、次に、発明者が考えている「かっこよさ」とは何かをはっきりさせなければなりません。
  4. 「かっこよさ」を追求していけば、例えば、20代の若者が感じるかっこよさと、60代の人が感じるかっこよさとは違うはずだと言うことになります。
  5. そうなると、発明者はこのスポーツカーを誰に売りたいと考えていたのかという観点から、発明者が持っていた課題の本質に迫ることになります。
  6. 発明者は、このスポーツカーは若者をターゲットにしたもので、若者にかっこよさをアピールして、購買意欲をそそるのがテーマだと考えていたとします。
  7. このテーマをもとに、若者が買いたくなる色は何かを追及し、本当に「赤」でなければならないのか、若者の購買意欲をそそる色は外にないのかが検討課題になります。
  8. そして、最終的には、若者の購買意欲をそそることをテーマに、若者とスポーツカーとを結びつける「あるべき色」は何かを追求します。
  9. このようにして、本質にたどり着いたとき、特許出願をすべきスポーツカーの色の要素が決まり、それを特許請求の範囲に表現することになります。

 

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