発明者は、毎日「あ~だ、こ~だ」と考えながら発明という一つの結論に到達します。
そして、どんな技術者でも自分の発明を語りたがっています。自分の発明を褒められれば、それこそ楽しそうな顔をして、発明に至る苦労話をしてくれることが多いものです。
しかし、それも聞き手によります。
聞き出せれば特許ネタが見つかる
聞き手が難しい顔をして、特許の専門用語を連発していれば、技術者は自分の発明を語るのも面倒くさがります。
発明者をワクワクしながら話したがる様にさせるコツは、発明にいたったプロセスを根気よく聞いてあげることです。
プロセスを根気よく聞いていると、そこに特許ネタが潜んでいることもあります。
そんな特許ネタを探し当てると、「え~!そんなものが特許になるの」と言って、目を輝かせる人が意外と多くいらっしゃいます。
大切な姿勢は「ともに考える」こと
また、技術者から発明を聞きだすときに、説明だけを求める人がいます。
しかし、技術者と「ともに考えましょう」という姿勢で接すると、技術者はいろいろなことを考えてくれます。
「そうか。そんなやり方もあるな」などと言って、その場で考えたアイディアをどんどん絵に描いてくれます。そして、とてつもなく素晴らしい発明に行き当たることがあります。
このときにも、技術者の目は輝いています。そして、一日があっという間に過ぎてしまうような、充実した時を過ごすことになります。
もちろん、聞き役にとっても充実感に満ちたものになります。
▼知財担当者の悪い聞き方
こんなじゃ、特許取れないよ。もっと特許が取れそうなところがないの?
こんな質問に対して、技術者がただ単に図面を見て特許ネタを探そうとしだしたら、もうダメです。図面を見るだけでは特許ネタなど出てこないからです。
▼知財担当者の良い聞き方
こんなんじゃ特許にならないな~。でも、製品としてすごくいいものだと思うよ。なんとか特許が取れるネタを探そう! そうだ、開発している途中で、ものすごく苦労した点はない?
こんな質問をすると技術者は、開発の過程を映像的にイメージして考えるようになります。映像がイメージできれば、発明者の頭の中はどんどん発展します。人はアナログ的に物事を考えるからです。