「戦略」と「戦術」については、いろいろな捉え方があると思います。
詳しく説いている本などではそれらを難しく定義してしまっているものが割と多いようですが、私はもっと簡単に捉えています。
「戦略」とは、将来の方向性とその着地点を決めること。
「戦術」とは、戦略で定められた方向と着地点に向かうための方法や手段を決め、それを使いこなすこと。
このようにシンプルに捉えると、物事を考える上で役立ちます。
「今は方向性や着地点を問題にしているのか?」
「そこに向かうための方法や手段を問題にしているのか?」
それらを区別して考えることができるようになってきます。
例えば、戦略上の方向性や着地点は、「できるかできないか」から決断するのではなく、「必要かどうか」で決断すべきです。
企業であれば「将来の我が社のあるべき姿」を決めること。
将来必要とされる「あるべき姿」は、それを達成しなければ会社の将来の発展はない、と言えるほど重要なことです。
世間ではこの点を間違えて口角泡を飛ばして議論している光景が見られます。
一例として、「あるべき姿」がある程度示された時、それを達成する上で「自社では社員数が足りない」といった議論などが典型です。足りない社員数をどのようにカバーすべきかの議論は「戦術」になります。
戦略と戦術を混同すると、おかしな議論になってしまいます。