多くの方はご存じないと思いますが、特許事務所にはたくさんの知恵がつまっています。特許事務所の知恵を説明するために、特許事務所の仕事の概要をまずご説明します。
特許事務所というのは、発明者の方々から発明の内容を聞き出して、それをすべて文章にまとめます。
この文章のことを特許明細書と言います。
そして、書きあげた特許明細書を特許庁に提出しますが、我々の業務の中で、明細書を作成してそれを特許庁に提出する仕事が70%から80%を占めます。
したがって、発明者から発明を聞き出してそれを文章にまとめる作業が大半を占めますが、毎日このような仕事をしていると、いろいろな知恵が蓄積されます。
一番大きな知恵は、「発明を聞き出す」ことです。
私は、これを単なる聞き上手ではなく、「聞き出し上手」と言っています。「聞き上手」と「聞き出し上手」とは、まったくと言っていいほど違います。
「聞き出し上手」になるためには、発明者の発想の呼び水になるような質問が必要になります。
この呼び水が適切でないと、発明者の頭の中にある発明を上手に引き出すことができません。
つまり、特許事務所には発明者の頭の中にたくさん詰まっているアイディアの絡まりを解いてスムーズに引き出す知恵があります。
開発の途中で自分の頭の中が混乱したときには、その段階で特許事務所に相談してみてください。
絡まりが解けるかもしれません。